トランプ氏 情報機関に圧力か

 【ワシントン時事】ロシア政府が米大統領選にトランプ陣営と共謀して介入していたとの疑惑をめぐり、米紙ワシントン・ポスト(電子版)は22日、トランプ大統領が連邦捜査局(FBI)による捜査公表に対抗するため、疑惑を裏付ける証拠はないと公言するよう複数の情報機関に圧力をかけていたと報じた。

 
 大統領は2月、当時のコミーFBI長官に捜査中止を要請。しかし、コミー氏がこれに応じなかったため、情報機関を使って、「FBIの捜査の信頼性を傷つけようとした」(ポスト紙)とみられる。司法妨害に加え、情報機関の独立性を脅かしたという批判も強まりそうだ。

 ポスト紙によると、コミー氏は3月20日の議会証言で、FBIとして疑惑を捜査していると明言。これに腹を立てた大統領は数日後、コーツ国家情報長官に対し、証拠はないという見解を公に示すよう求めた。コーツ氏は不適切だと考え、要請を拒否した。

 この前後に大統領はロジャーズ国家安全保障局NSA)局長にも同じ要求を電話で伝達。ロジャーズ氏は大統領の言葉に面食らったが、なぜ応じられないかを丁寧に説明した。このやりとりはNSAの内部メモに記録されていたという。